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研究室について
 私は1990年に本学に助手として赴任し、10年間西久保研究室で教育と研究を行った後、2000年に化学教室に赴任しました。学科名を 物質生命化学科に改名する際、研究室の名前を「分子機能化学研究室」としました。“高分子合成”、“自己組織化”、“光化学反応”をキーワードに有機化合物のユニークな機能を引き出す研究を行っています。 実際には、高分子に拘らず、低分子化合物の自己組織化を利用した機能性カプセルの形成、ミセルを反応場とした光エネルギー変換なども行ってきました。私にとって、これらは新しい研究テーマでしたが、学生諸君が一所懸命に成果を出してくれたおかげで、新しい研究を立ち上げることができました。最近では、光重合を用いて両親媒性高分子を合成し、その自己組織化を利用して機能性微粒子を形成する研究や高分子の形態を光でコントロールする分子システムの構築に取組んでいます。将来は光応答性スマート分子システムを創りだす方向に進みたいと考えています。
 これまで67名の学生が卒業研究を行い、そのうち8名が本学の大学院に、4名が他大学の大学院に進学し、それぞれの分野で活躍しています。卒研にきた学生諸君には、「ものごとを考える力」を身に付けることができるようにと考えて指導しています。ものごとの本質を理解して答えを出してみる、答えは1つとは限りませんが、自分で判断して良いと思うことを積極的に実行する。社会に出て創造性のある仕事をすることは、模範解答のない問題に取組むようなものですから、そのために多くの知識が必要で、その知識を十分使いこなして自ら答えを出して試してみることが重要です。学生諸君には簡単なことではないと思いますが、卒研を通してものごとを考える力を身につけて、いずれ社会で活躍して欲しいと願っています。
最近の話題として、2006年にスタートした学術フロンティアプロジェクトのおかげで、ハンガリーから女性博士研究員を迎えてオリジナルな研究を行うことができました。ヨーロッパからの研究員と一緒に実験をすることは、学生にとって違う文化を持った人とコミュニケーションをする良い経験になりました。今年度から、特別助手として宮坂誠博士が赴任して新しい研究テーマもスタートし、研究室も益々充実してきました。今後とも研究室ならびに卒業生にご支援ご声援をお願い致します。
   (2009年8月吉日、亀山 敦)
 ※応用化学科同窓会報より抜粋