BaYMn2O5+δ


BaYMn2O5+δ:本物質は、結晶中でバリウム (Ba) とイットリウム (Y) が交互に積層した特徴的な結晶構造をもっています。(図1)。Yに隣接した酸素は還元ガス雰囲気中で容易に脱離し、酸素量5+δが5.0から6.0の間で変動する挙動:「酸素不定比性」を示します。

私たちは、BaYMn2O5+δが500°C以下の温度で酸素/5%水素のガス切り替えに応じて多量の酸素(3.7質量%以上)を吸収放出することを発見しました。図2は、温度を500°Cに固定してガス雰囲気をO2と5%水素ガスで交互に切り替えた際の熱重量(TG)データです。注目すべきは、試料重量が酸素中と5%水素中で重量がそれぞれ増加・減少し、酸素吸収放出減少が10分間隔のガス雰囲気変化に応答できるほど高速なことに加え、完璧なサイクル特性を示すことです。