相互侵入球晶 |
---|
これまで報告されている相溶性の結晶性/結晶性ポリマーブレンドでは、両成分の融点が離れている場合が多いため、結晶化過程では高融点成分が先に結晶化して空間をうめ、より低い温度でもう一方の成分が空間的に制限された中で結晶化する。両成分の融点が近ければ同時に結晶化が見られるはずであるが、そのようなブレンド系の報告例はこれまでほとんどなかった。 高分子を融液から結晶化させると、球晶の形態で結晶化することが多い。この場合、ある球晶と別の球晶が接触するとそこで球晶の成長は止まり、明瞭な境界が形成される。
→
両成分が同時に球晶成長を示すポリマーブレンドでを結晶化させたとき、一方の成分の球晶が他方の成分の球晶と接しても成長が止まらずに球晶中に侵入していくという珍しい現象が発見された。これを相互侵入球晶と呼んでいる。
→
最近、環境問題から生分解性高分子が注目されている。しかしそのような高分子はもろいことが多く、実用上問題になることがある。この手法を用いることでこの問題を解決できる可能性がある。 このような現象について、
|