新着情報

第19回高分子ミクロスフェア討論会  2016年11月7日ー9日
今回の討論会は谷口竜王先生を委員長として千葉大学で開かれた。会場は200名余りの参加者には
ちょうどいいサイズの感じの良いホールだった。初日の午後、私にとって現役からOBへの区切りの
年ということで特別講演を組んでいただいていた。演題は「いつも粒子が一緒だった」。回想録に
ならないようにという思いを込めて「その時々、およひ?今の、高分子ミクロスフェアについての考
えと思い」という副題を付けた。気合を入れて準備したためか、用意したスライドの1/5程度は端
折ってまとめざるを得なかったのがやや不本意であった。
2日目は東北大今野幹男先生の特別講演があり先生の研究の履歴が披露された。一般発表は、内容・
形式とも高度化してきていて、聞きごたえのあるpresentationが多かった。例によって連日、プロ
グラムの時間を無視してdiscussionが繰り広げられ、それが聴講者の収穫感を膨らませてくれた。
最終日、学生の優秀発表の表彰があって、信大・神戸大・千葉大の学生に賞状が贈られたが、選考
に関わった者としては、選外になった学生も僅差だったことを強調しておきたい。谷口先生、桑折
道済先生、研究室の学生の皆さん、どうも有り難うございました。

南京訪問  2016年10月8日-13日

南京行きがとうとう実現した。2つの目的があった。一つは、以前から声をかけていただいていた 
Southeast Universityの倪恨美教授(かつて慶應と分子工学研究所で一緒に仕事をした)を訪ねること、
もう一つは、(こちらはまだ赴任して日の浅い)南京工業大学の大久保政芳教授を訪ねることであった。
初めての南京は、喧噪のなかに、何か和みを感じさせる不思議な町だった。道路の混雑は変わり映え
しないが、地下鉄の駅構内や車内は穏やかな人たちで満ち満ちていた。老人に席を譲る人たちを何人も
見かけたことは、驚きであった。訪問した2つの大学は国立と公立?の違いもあって前者が悠然として
いるのに対して後者は熱い雰囲気を発散していた。倪夫妻のガイドで尋ねた総統府(孫文が開いた政府の
建物)や夫子廟(孔子を祀ったところ)、大久保夫妻と訪れた中山陵(孫文の墓)・明孝陵(明朝歴代の
皇帝の史跡)など歴史の重みをずっしりと感じた。


UMass OB
(ホテルオークラ「桃花林」日本橋)  2016年5月22日
1979年から1981年ころにかけてマサチューセッツ州立大学高分子研究所には数人の日本人が研究員
として籍を置いていた。そのうちの、角田裕三氏・吉田昌平氏・岩崎政幸氏・小原忠直氏・川口が夫婦で
(ただし角田夫人は蜂の被害で急遽欠席)、さらに、故島田氏の奥様練子さんが加わり、日本橋に集まり
昼食をとりながら歓談した。持ち寄った当時の写真をタネに話は尽きず、あっという間に3時間が過ぎて
しまった。みなさん70歳前後で多少ガタがきてはいる様子ながら、まだまだこの会は重ねられそうだと
いうことで、再会を期して散会した。

中国蘇州(Suzhou)で学会のはしご 2015年10月24日―10月30日  
5th Asian Symposium on Emulsion Polymerization and Functional Polymeric Microsphere
(ASEPFPM)が10月24日から27日にわたって、(年配者には)蘇州夜曲でおなじみの蘇州で開かれた。
馬光輝先生のご尽力で素晴らしい盛り上がり様で参加者全員が昼も夜も楽しんだ。私は,Prof.. Dr. NI
Henmeiさんに会えたのがうれしかった。私の発表は、Metal Nano-Particle/Ionized Cellulose
Composite Micro Hydrogel。エクスカーションの同里も大変興味深かった。皆さんだいぶ年を重ね
られたがまだまだこの会は続けられそうだということで次回日本でのシンポジウムの再会を期して散会した。
なお、本学会の発表はOpen access journal "Polymers"に掲載されることになっていて、馬先生、
Ngai 先生、それに川口が編集委員を務める。

次いで28日からは、同じ蘇州で、CHInano Conference & EXPo 2015が開かれた。
ASEPFPMのは大勢の日本人が参加したが、CHInanoにまで残ったのは私だけだった。
招待講演で
Affinity latex for bio-recognition, detection and separation を話した。
エクスカーションは中国‐シンガポールのサイエンスパークを見学した


第54回日本油化学会と第66回コロイドと界面化学討論会
2015年9月8日ー10日(名工大)/10日ー12日(長崎大)

そのプログラムの中に、『内包物の送達に有用な新規カチオン化ベシクルの開発 1.ワミレスコスメ
ティックス 2神奈川大学)平田直之1・加藤暢浩1・川口春馬1,2 という発表がある。私の名に、
企業の肩書が付いた初めての学会発表である。慶應を定年退職した2009年の4月から、私には、神
奈川大学特任教授と,ワミレスコスメティックス褐レ問ホリスティックビューティ―研究所所長の
肩書が付いた。その研究所は、総勢20名に満たないが、誠実に研究をしている良い組織である(
自画自賛)。そこにおける研究成果の第1弾が上記の発表である。まだまだ深みが足りない発表で
あったが、まずはお披露目ととらえていただければと思う


高分子ミクロスフェア討論会 (福井大学) 2014年11月5-7日

2年に一度の、私たち高分子微粒子仲間の祭典?高分子ミクロスフェア討論会が福井大学で開かれた。
180人の参加者(大ざっぱには大学・研究機関が1/3、企業が2/3)のもと、例によって、一会場制、
質疑応答時間無制限(後半の一部、そうもいかなくなったが)のユニークな討論会は今年も活気に
あふれていた。発表は全部で
54件(うち企業からは5件)、発表内容・アピール力はいずれもなかなかな
もので、私を含め古狸たちは目を細め合った。飛田委員長念願の『高分子ミクロスフェア討論会の歌』
(作詞
:土井幸夫先生、メロディは「翼をください」)のお披露目もあって、楽しい討論会であった。
これまで福井での討論会は、カニの解禁日を待って開催されてきたが、今回は日程が合わなかったのが、
悔いといえば悔いである。
2年後の次回は千葉大で開催される

高分子討論会 (長崎大学)  2014年9月24-26日

 この度の討論会では、熊本大院 高藤誠教授・千葉大院 谷口竜王教授のお世話で「ナノ・マイクロ粒子の
構造制御と機能創発」というセッションが設けられ、2.5日間興味深い発表と熱い討論が繰り広げられた。
私は、慶應時代の原竜二君の研究を、これまでと違った視点から見直したものを発表した(「バイオセンシ
ングにおける高分子微粒子の効能」原竜二・川口春馬)。初日の夜は、同セッション参加者の有志が集まっ
て懇談し、充実した会期を過ごすことができた

西 美緒 君 Charles Stark Draper Award (2014) 受賞

 実は私の同期生(慶大工応用化学科24期生)にすごい大物がいる。その人は、西 美緒(にし よしお)氏。
 ソニー(梶jでリチウムイオン電池の開発をひっぱった人で、その業績に対し、工学界のノーベル賞といわれる
 『チャールズ・スターク・ドレイパー賞』
(National Academy of Engineering) を贈られた。628日来往舎で開か
 れた応化
24期同窓会で、彼の講演を聞くことができた。失敗をも楽しみながら努力したことが成功に繋がった、
 という回顧談が面白かった。

 
西氏をもっと知りたい方は
→ http://www.career-p.co.jp/article/15014884.html

囲む会 2014531   

  5年間、亀山研究室の隣で界面化学研究室を持たせていただいた。毎年亀山研の卒研生23名を預からせて
 いただいた。そこから大学院に進学した学生は、
2010年度から2013年度まで各1[阿部直人君、都谷友樹君、
 佐野侑斗君、さらに
2010年度には留学生金東日君、計4名が川口研で修士課程を修了した学生になる。
 これらの卒業生を中心に
5年間の亀山研OBOGに対して亀山先生がお声掛けしてくださって『川口先生を
 囲む会』を開いてくださった。
1号館8階のレストランで、ジンとくるひと時を過ごさせていただいた。
 皆さんに感謝です。

高分子ミクロスフェアシンポジウム 2014425 

 信州大学で活躍中の鈴木大介準教授のご尽力で『高分子ミクロスフェアシンポジウム』が企画され、4月25日に
 信州大学繊維学部にて開催された。講師は、大久保恒夫先生・大久保政芳先生と川口の
3名。約200名の参加者を
 得て、講師
3名、気合を入れて講演できた。(演題は大久保政芳先生「機能性高分子微粒子の創製への挑戦」
 大久保恒夫先生「コロイド分散液の美しい組織化現象」川口「ポリマーコロイド研究の躍進期を生きて」)

 夕方の懇親会、翌日の松本へのエクスカーションも、参加者全員が和気藹々と楽しめた、心地よいイベントで
 あった。鈴木大介先生と研究室の学生諸君に心からお礼を申し上げる。


平成26年度の始めにあたってご挨拶  20144   )

 この4月から、川口の研究室はもうありません。ホームページの看板を差し替えるか、または幕を引くのがスジ
 かもしれません。しかし、看板はそのままにして、構成員川口一人の研究室が存続しているような体裁にして、
 当面、情報を発し続けようと思います。

 3月をもって神奈川大学特任教授を退き、4月からは、客員教授、かつ非常勤講師(担当科目は界面科学特論)
 として、週
2回ほど登学することになります。工学研究所内に机を置かせてもらえましたが、一緒に研究活動を
 してくれる学生はもういません。周りの方々のご協力を得ながら少しずつでも道半ばの研究は進めていこうと思い
 ます。新しい環境でのマイペースを身に着け、くすまないシルバー色の生活を楽しんでいきます。


平成25年度の〆を迎えて  20143月末日   )

 1969年慶應大学工学部助手に採用され、専任講師、助教授を経て、1989年に教授、2009年慶應義塾を定年
 で退いて、今年
20143月までは神奈川大学で特任教授を勤めた。大過なく過ごすことができ、そこそこ
 生きた証しを刻むことができた理由は2つ。一つは、出会った人々に恵まれたこと、もう一つは運に恵まれた
 こと、であった。さらに一つ加えるとすれば、健康にも恵まれたことである。
 (このあたりの総括は、追って小文にまとめたい。)

最終講義、そしてパーティー  2014年38   )

 201438日、それは単に誕生日というだけではなかった。また、70才(古希)の誕生日というだけの
 ものでもなかった。この日、自分の
50年近くの大学生活の幕引きとなる最終講義をさせていただけた誕生日
 であった。最終講義は『馬のあしあと』と題して、我が半生を語った。神大の卒業生に加え、慶応時代の
 研究室の卒業生にも来てもらえた。その上、講義の後のパーティーにはバースデーケーキが登場するサプ
 ライズまであって、記憶に残るハッピーな日を過ごすことができた。これまで出会った方々に感謝し衷心
 よりお礼を申しあげます。


平成25年度卒論発表会・修論発表会  2014217日〜21   )

 私にとっての~大最後の卒論発表会と修論発表会が17日から21日まで5日間ぶっ通しで行なわれた。
 小田君・佐久間君・鯉渕君の卒論発表も、佐野君の修論発表も順調に終了した。佐久間君のテーマは
 企業との共同研究であったため、化合物名は伏せての発表だったので、どういう評価が下されるか心配
 だったが、皆さんのご理解をいただけた。


理研に出張したのは、大ニュース報道の翌朝   (2014130)

 130日理化学研究所(和光)で委員会があり出張した。委員会では、自分たちのミッションに加え、前日
 記者会見が開かれた“
STAP細胞”のことが大きな話題に。ただし、理研の内部でも神戸の情報は今朝知った
 とか、グループリーダーに抜擢されている小保方さんってどんな人かとか、“
STAP細胞”そのものには誰も
 疑義は持たず、周辺の些事が話題だった。


Vogl 先生を偲ぶ会 2013年127日(土)
   
 畑田先生のお世話で、大阪阪急千里ホテルにて行う。昼に集まってVogl先生を偲び、Mrs.Vogl に寄せ書きを
 送った。
参加者は、荒木たけお・ 井上弘・岩崎政幸・蒲池幹治・角田裕三・多田宏一・畑田耕一・山田文一郎
 (以上敬称略・五十音順)・川口春馬で、吉田昌平さんは残念ながら出席できなかった。



膳昭之介先生ご逝去 2013年1117
   
 私が台湾に発った1117日、梶英輔北里大学教授から、「膳先生ご逝去」とのメール。享年85.先生が慶応
 大工学部応化の教員でいらした時期に知り合い、以後、日本科学協会理事会はじめ諸委員会でご指導ご鞭撻を
 いただいた。そのご恩は筆舌に尽くせない。先生は、
80歳でワミレスコスメティックス社の研究所長を退き
(そのあとを川口が引き継ぎ)、ご自宅で悠々自適の生活を送られていた。出張先で突然の訃報に接し、お別れ
 の会に出席できなかったことが切なくてならない。残された奥様の膳恵子先生(長きにわたり桜陰高校校長)
 のご健勝をお祈りする。


台湾でPPC2013   (2013年11月17日-22日)
  1117日羽田から台北松山空港。高鐵(台湾の新幹線)で左榮へ。
 初日に、D.Tirrelが基調講演を行った。その中で、彼は、Vogl先生の一番弟子として、恩師を追悼し、
 生前を回顧するスピーチを行った。
 自分の発表(佐野侑斗君を筆頭著者に、石田良仁助教。亀山敦教授が共著。演題は、銀ナノ粒子含有
 
CMCミクロゲル)が18日に終わると、あとはかなりリラックス。
 学会の合間に、大久保政芳先生ご夫妻とわが夫妻
4名で、台北・台南を観光した。


Vogl 先生 ご逝去    (2013年4月27日)
    私が留学したのは約35年前、行き先はマサチュセッツ州立大学(いわゆるUMASS)。指導教授は、
    高分子合成の権威、Otto Vogl 先生だった。そのVogl 先生が4月27日に亡くなられたとの知らせを
    いただいた。発信元はVogl先生と旧知の畑田先生だった。1927年生まれということは享年86、
    哀惜の念を禁じえない。
    慶應の最終講義の中で、<私の人生を決めた4人の先生>のお一人としてVogl先生を挙げた。
    国際的高分子研究者として生きていく術を、個性豊かなVogl流で教えてくださった先生である。
    期待に答えられたとは思わないが、それでも目をかけてくださった。
    ご夫妻で、私ども家族を温かく遇してくださった。最後の訪日は5年前になる。
    その時写した写真をみながらご冥福を祈る。



平成25年度のはじまり    (2013年4月)
    この年度の始まりは少し重い。この年度の終わりごろ私は70歳になり、その誕生日を過ぎて約3週間後には
    神奈川大学を定年退職することになるからだ。最終年度のわが研究室は、次のような構成になる:
    自前の院生 M2佐野侑斗君、亀山研究室からお預かりする学部生 小田永美さん、佐久間克紀君、鯉渕二葉さん。
    実は神大で女性の卒研指導をするのは初めてである。これは
    亀山先生のお心遣いかもしれない。とにかく、もたもたしたと認めざるを得ない4年間の後だけに、有終の美を
    飾れるように心がけたい。

インドへ初の学会出張と研究所訪問   (2013年2月18日-23日)
    インドに行ってきました。インドに着いてから、インドには高分子研究者で組織されるソサエティが2つ
    あることを知りました。一方の側のAsian Polymer Associationsはヨーロッパとのつながりの深い学会で、
    毎年、インド周辺諸国とヨーロッパからの参加者を募ってコンファレンスを行っています。私が参加した
    本年のコンファレンスは、2月21-23日に、インド北部の中堅都市ChandigarhにあるPanjab大学で
    "International Conferenceof Polymers on the Frontiers of Science and Technology" と銘打って開催されました。
    参加者は約350名であり、日本からの参加者は6名でした。私は基調講演者の一人として、Micro Hydrogelについて
    講演しました。基調講演とポスターセッションは一堂に会して行われ、一般発表は、ポリマー合成と機能化とか、
    スマートポリマーとかのセッションに分かれて開かれました。インド独特の鷹揚なコンファレンスでしたが、
    クオリティーはよい水準でした。今回はコンファレンスの前に、PuneのNational Chemical Laboratoryを訪問しました。
    イギリス統治下の雰囲気を残した施設の中で、研究者たちが独立と協調をバランスさせて課題に取り組んでいたのが
    印象的でした。
    インド滞在は初めてとあって、薬類や除菌小物などを万端整えて乗り込み、節制し自重しながら生活しました。
    その甲斐あって1週間を無事過ごすことができました。今回のインド訪問に声をかけてくださった、MRS会長・
    横浜国大教授鈴木淳史先生に感謝します。

学生4人を連れて第26回高分子ミクロスフェア討論会参加   (2012年11月8-10日)
    偶数年の11月月は高分子ミクロスフェア討論会が開かれる月です。今年は、
    今野幹男教授のお世話で東北大学にて開催されました。2年前と同様に、わが
    研究室の修士生、卒研生計4名を引き連れて出かけました。会場は、自然に囲まれた
    丘陵地にあってすがすがしい雰囲気に包まれていましたが、建物のあちこちにまだ
    震災の爪後がみられて痛みを覚えました。
    討論会では、「うーん、そこまでいったか!」というような内容の発表もいくつかあって
    刺激をもらいました。わが研究室の学生さんたちの発表についていえば、日頃の研鑽・細かな
    指導・事前の練習、いずれも不十分でしたから、針の筵の上にいる心境で聞きました。
    それでも各人が発表することの意義、討論の大切さを感じ取ってくれたことと思います。
    震災後のご苦労の中、ご尽力いただいた今野先生・長尾大輔先生はじめ東北大学の皆様に
    感謝します。学会終了後、急遽滞在を延期して作並温泉に出向き、ひなびた温泉場でゆったりと
    東北の晩秋を味わいました。朝、屋上の露天風呂から、紅葉の山を見たとき、山にほのかに虹が
    かかっているのに気付きました。目の前に自然がみせてくれた優しさと、1年半前われわれに襲い
    自然のかかった厳しさとのギャップが、心にひっかかっています。

久しぶりの方々に会えたオレオ国際会議   (2012年10月1日-3日)
    この学会は実は昨年行なわれることになっていました。ところが、東日本大震災で延期され、
    本年10月佐世保で開催されることになりました。招待講演者はハウステンボスに宿舎を
    確保していただけるということで勇んで出かけました。宿舎と会場が離れていて不便だった
    ことを除けば、申し分ない学会でした。最近の油化学会の研究動向が掌握できましたし、
    北原文雄先生はじめ大勢の懐かしい先生方にお会いでき、かつての仲間である
    太田博道現長崎県立大学学長と西海の夕日を見ながら歓談でき、大堀哲先生が館長を
    務める長崎歴史文化博物館を訪問し博物館を見せていただくことができました。
    おまけにハウステンボスも散策でき、佐世保バーガーも食べることができ、収穫の多い
    大変おいしい出張でした。
    私の講演題目は、Novel soft matter - micro hydrogels

田中豊一記念シンポジウム(江別市 酪農学園大学)   (2012年6月29日−30日)
    世界の"ゲル科学"の最先端をひた走りながら、54歳の若さで他界された元MIT教授
    田中豊一先生を偲んで、教え子たちや縁の深い方々が集まって、隔年、ゲルの勉強
    会が開かれてきました。それが、田中豊一記念シンポジウムで、今年で3回目だそう
    です。私は、慶應在職中、田中先生を特別招聘教授にお招きしたことがご縁で、初回
    のシンポジウムから顧問ということになっていた(らしい)のですが、いままで出席した
    ことはありませんでした。今回初めて、出席してきました。初夏の北海道の清々しい空
    気に包まれながら、話題提起1に対し議論4くらいの時間配分で議論に重点を置いたシ
    ンポジウムです。内容は物理に重点が置かれていますが、『ゲルってそうなんだ』と知ら
    されることも幾つかあって、私には刺激に富んだ収穫の多いシンポジウムでした。委員
    長を務められた酪農学園の金田勇先生、ありがとうございました。小シンポジウムだけ
    に財政面のやりくりが大変、ということで、次回から方式を変えて行うことになりましたが、
    続けてほしい催しです。

IACIS 2012 (仙台)   (2012年5月13日−16日)
    IACIS の正式名はInternational Association of Colloid and Interface Scientists, Conferenceです。
    コロイドと界面化学の研究者の国際会議ということになります。それが5月13日仙台で開幕しまし
    た。なんと、その開会式に天皇皇后両陛下が臨席されて!開会式は30分でしたがその後VIPは
    国際センター3階のホールでレセプション、私ども庶民は2階で軽いレセプション・・・Theoとぼやいて
    いたら、3階からHoffman先生が降りてきて、フフフ。初日はそんなことでしたが、会期中、多くの人と
    会えて楽しい集まりでした。例えば、先のA. Hoffman, Theo van de Venのほか、B. Vincent,
    R. Pelton, Stefan Bon, Ngai, ・・・。天皇ご夫妻はその3日後、エリザベス女王の在位60年を祈念する
    セレモニーに出席のためイギリスへ出かけられました。

2012年度の川口研    (2012年4月1日)
    4月の川口研の体制は、M2都谷友樹君、M1佐野侑斗君に加え、亀山研の4年生鴨川雅君と古橋君が
    準メンバー。活気ある1年をおくれそうで楽しみです。

3月25日は大忙し    (2012年3月25日)
    日本化学会が慶應日吉キャンパスで開かれ、この日は佐野侑斗君の発表日。運悪く~大卒業式と重なって、
    そちらには欠席。おかげで、表彰された阿部直人君の晴れ舞台を見ることができませんでした。
    夜の応用化学系パーティーには出席。昨年は震災のため、卒業式もパーティーもなかったことを思い、
    そのギャップに愕然としました。

西久保忠臣先生逝く   (2011年12月29日)
    Mr.~大のような先生でした。私が~大に席をおけているのは西久保先生のおかげです。
    その先生が、2011年12月29日ご逝去された。享年69。最近は酸素ボンベを携えて大学に来られて
    いたことから痛々しさを覚えていましたが、まさかなくなられるとは・・・ご冥福をお祈りいたします。

ASEPFPM参加    (2011年12月11日−14日)
    ASEPFPM は、Asian Symposium on Emulsion Polymerization and Functional Polymeric Microspheres の略で、
    第4回のASEPFPMが暮れに香港で開かれました。
    香港工科大学Pei Li 先生が委員長で、約90名が集うファミリアな学会でした。神奈川大学に移ってから初め
    て、学生(阿部直人君(修士課程2年)を連れて海外に出かけました。
    阿部君にはポスター発表をしてもらいましたが、本人も私も驚いたことにBest Poster Awardをいただいてしま
    いました。おなじみの先生方と一緒に、学会と香港の空気を堪能できましたし、充実した4日間をすごせました。
    大変なことが多かった2011年でしたが、力をもらって2012年に向かって行けそうです。(アルバムのページに
    写真掲載)

講演会のご案内    (2011年9月)
    神奈川大学工学研究所主催の講演会の企画を任されまして、つぎのような講演会を開く運びになりました。
    ぜひご参加ください。
    ≪講演会:暮らしの中のサイエンス≫
      題目:カガクで健康美
      日時:2011年10月29日(土)と11月12日(土)の2日間
         いずれも 3:00 - 16:30
      場所:みなとみらいクイーンズタワーA14階
         神奈川大学みなとみらいエクステンションセンター
      講演:
      10月29日
       @「健康寿命をのばす秘訣 ー より長く生き生きと」
         (浜松医科大教授)瀬藤光利
       A「動いて健康美 −運動が細胞を元気づける」
        (東京大学名誉教授)跡見順子
      11月12日
       @「食べて健康美 −食品とサプリメントをカガクする」
         (お茶の水女大准教授)森光康次郎
       A「肌から健康美 − 清潔にすること・整えることを通して健康美」
         (FCG総合研究所取締役)菅沼薫
      参加費:2日間通しで3,000円。どちらか1日だけの場合2,000円
      申込法:添付の申込書を事務局に送る、または川口にメールで。
                  haruma@kanagawa-u.ac.jp

神奈川大学3年生    (2011年4月1日)
    昨年10月に私の継続任用が決まり、特任教授3年目に入ることになりました。研究室の学生は、
    M2に阿部直人君、金東日君、M1に都谷友樹君の3人で、亀山研から預かる4年生 佐野侑斗君、唐鎌涼君が
    加わります。引き続き友田祐子さんに秘書をお願いし、特別研究員小山内州一氏も継続です。

東日本大震災    (2011年3月11日)
    三陸沖を震源とする大地震とそれによって引き起こされた大津波により2万人の命が失われる大惨事が起こり
    ました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。悲劇はそれに留まらず、地震により電気系統が壊滅状態に
    なった福島原子力発電所の事故が、電力のひっ迫と、広範囲に及ぶ放射性物質汚染を引き起こし、社会を大混乱に
    陥れました。震災の日、私は都内で開かれたある財団の会議に出席しており、帰宅難民の一人になりました。
    いろいろな思いと体験をした1日でした。
大塚保治先生ご逝去     (2011年2月26日)
    恩師大塚保治先生が86歳で亡くなられました。通夜は3月7日、告別式は3月8日に護国寺にて行われました。
    大塚先生の追悼文を三田評論8月号に書かせていただきました。なお、私的な追憶記を、本ホームページ
    『研究室の紹介 5.川口の著述から』に掲載しました。

Pacifichem 2010 (Hawaii アメリカ)    (2010年12月17−21日)
    5年に1回環太平洋の国々の化学会が共同開催する学会Pacifichemが開かれました。最近のPacifichemは、
    200余りのシンポジウムで構成され、参加者数は8,000人に及び。日本人だけでも3,000人くらいは参加していると
    聞いています。まあ、お祭りですね。
    私たちの分野では今回、神戸大学の大久保先生が「リビング重合と微粒子生成」についてのシンポジウムを
    主催されました。私の発表はFunctional microspheres having designed shell layers です。終わると小休暇です。
    最後の日、数年に一度歩かないかといわれるほどの豪雨の中、モールに出かけびしょびしょになって、
    大久保先生とお揃いのパーカーを買って着たのが忘れられない思い出です。

第21回高分子ミクロスフェア討論会(福井)   (2010年11月10日−12日)
    卒論を初めてから半年余りしか経っていない学生名を含め、修士生2名を加え、私の研究上の
    主戦場『高分子ミクロスフェア討論会』に乗り込んでいったのは大きな冒険でした。研究室から
    4件の発表を出しました。正直なところ内容や質疑応答など課題をたくさん残したプレゼンテーション
    でしたが、学生達にチャレンジのチャンスを与え、成長を促すことができたことで、意義があったと
    評価したいと思います。

IUMRS AIC2010 (青島、中国)   (2010年9月25日−28日)
    北京科学院の馬先生のお誘いで、MRSのアジア会議に参加しました。ゲルのセッションでしたが、いつもと
    違う顔ぶれで、新しい出会いを楽しむ事ができました。青島(チンタオ)はビールでおなじみの地ですが、
    中国では今や第4の都市に成長したとのことです。バイタリティーを感じました。私の講演題目を記します:
    Preparation and Function of Poly(Hydroxyethyl Methacrylate) Microgel

繊維学会夏季セミナー(三島)  (2010年8月26−28日)
    6月で繊維学会の会長を退きましたが、在任中、神奈川大学大石不二夫先生に夏季セミナー委員長を
    お願いしていたことから、その運営にも全面的に協力させていただきました。
    夏季セミナーの集客力はじわじわと落ちているところに不況の影響が被さって参加者集めにだいぶ苦労
    しました。しかし委員の皆様のがんばりで会期中の盛り上がりは期待以上のものになりました。特別企画は、
    デューク更家氏のウオーキングエクササイズでした。これには参加者の皆さん、大喜びで体験を楽しんでおられました。

IUPAC MACRO2010 (Grasgow、イギリス)  (2010年7月11日−16日)
    IUPAC MACROは、隔年開催される高分子分野では最大の国際会議です。第43回にあたる本年のMACRO2010は、
    英国スコットランドGlasgowの国際会議場 で開催されました。委員長は、私の知己であるManchester大学の
    Peter Lovell教授であったことから、名前だけですが私もAdvisory boardになっていました。MACRO2010の全参加者数は
    約1700名ということでした。会場は、毎朝、基調講演からスタートしました。7名の基調講演者には、
    J. FrechetやL. Leiblerら各分野のリーダーたちが招聘されており、日本からは山形大学の小山教授がその一人として、
    会場を魅了する講演をされました。一般発表の部は8の分野に分けられて並行して進められました。私が主に参加したのは
    Advances in Colloidal and Nanosize Polymer Materials のセッションで約30件の口頭発表がありました。
    私はPreparation and function of stimuli-sensitive microgel containing silver nanospheresと題する発表をしました。
    セッション会場には常連が多いこともあって、議論が活発で意義深い発表会でした。MACRO ではいつも開催国のお国柄が
    浮き彫りになります。今回のスコットランドでのMACROは"国際会議の正道"を実感させてくれる質と品格に富むものでした。
    季節と裏腹の寒さでありましたが、熱さを感じる5日間を過ごすことができました。

Particles 2010 (Orlando, アメリカ)  (2010年5月22日−25日)
    Particles 20xx にはもうかれこれ4,5回参加してきました。会場はいつもの通りフロリダ オーランドでしたが、
    今回はちょっと特別で、大会委員長J. Texter先生のお誘いで基調講演者としてParticles2010に出席してきました。
    講演はStinuli-responsive coloring particlesと題して、主にFRET粒子に関する成果を報告しました。初日の最初の
    講演で、座長のL. A. Lyon先生にヨイショの紹介をしていただいたこともあって、いつも以上に重圧を感じ、残念
    ながらあまりいいできばえでえはありませんでした。例によって1日だけ社会勉強の日をとってDisney World で
    骨休めをしてきました。

~大2年目の春 (2010年4月)
    2年目がスタートです。修士1年生に阿部直人君と金東日君を迎え、界面化学研究室として自立する体制ができました。
    亀山研の卒研生3名(諏訪裕樹君、都谷友樹君、八木優君)に加え、特別研究員に小山内州一博士が仲間に加わり、
    おもしろい研究室になりそうです。

8th International Conference on Electro-optics of Molecules
and Colloid(ELOPTO 2010)に出席 (Mainz, ドイツ)
(2010年3月14−17日 )
    2006年に大久保恒夫先生が委員長を務められ京都で開かれた第7回ELOPTOに続く学会で、グーテンベルグ
    大学のThomas Palberg 教授(ISAP2009の招待講演者の一人)が委員長を務めた。出席の動機の一つは、大学の
    『会場がお城(Waldthausen Castle(ヴァルドハウゼン城))』というところにあったが、出席してみて、こじんまりと
    まとまったいい会議との印象を持った。出席者の9割以上が物理系ということで自分の発表に対しても日ごろとは
    違った視点からの質問を受け、刺激を受けた。

第3回アジア乳化重合と機能性微粒子に関するシンポジウム(済州島、韓国)(2009年9月20−23日)
    延世大学J. Kim教授が主催した学会。ポリマーコロイドを扱うアジアの知己たちと楽しい日々を過ごせて良い
    思い出ができた。実は、良い思い出とはいえない出来事があった。1年前にKim先生が慶應の私の研究室に
    見えられ、シンポジウムを開催する望ましい日を挙げるよう求められ、「日本では9月20日から23日が連休で
    日本人は出席しやすいですよ」と提言した。その通りにしていただいたのだが、日本の先生方からは「連休で
    韓国に繰り出す観光客のため、航空券がとるのに苦労した」とのクレームをいただいた。実は肝心の私が
    もっとも大きなトラブルを受けた。帰国日を変更せざるを得ない事態が起こってチケットのとり直しを試みたが、
    全くそれができず、困り果て、Kim先生の助けでようやく帰国できた。

高分子学会科学功績賞受賞(2009年9月16日)
    40年近く続けてきた「機能性高分子微粒子の研究」に対して、高分子科学功績賞をいただくことになり、
    その授賞式が高分子学会討論会(熊本大学)の会期中の9月16日に行われた*。一区切り、という思いも
    あるが、この先もう少し行けるところまで行ってみようという思いが強い。神奈川大学では昨年の
    西久保忠臣先生に続いて連続の受賞ということで大学関係者に喜んでいただいた。*この表彰式は、通常、
    高分子学会年次大会(6月)にて行われるが、本年は神戸での年次大会がインフルエンザの流行で中止と
    なったため、討論会にずれこんだ。

2nd International Symposium on Advanced Particles
/ 19th Iketani Conference (慶應義塾大学 協生館)第2回先端微粒子国際シンポジウム
(2009年4月26日ー29日)
    慶應を定年退職するにあたって国際シンポジウムを開きたいという思いがあった。池谷財団のご厚意でそれを
    実現できた。慶應義塾創立150年を記念して昨秋出来上がった7階建てのビル「協生館」を舞台に、30名の招待
    講演者(うち27名が海外から)の先端的講演をはじめ密度濃い内容のシンポジウムを催すことができた。昨秋
    からの全世界経済恐慌と勃発したインフルエンザ禍のため影響を受けたとはいえ、秘書の友田さん、ICSの皆さん、
    斉藤玲子(東工大)、谷口竜王(千葉大)、清水秀信(神奈川工大)、畠山 士(東工大)先生がた、高分子
    ミクロスフェア研究会とIPCG (International Polymer Colloids Group) 関係者、研究室卒業生および在校生
    の皆さまのご協力のおかげで大成功裏にとりおこなうことができた。ここに深くお礼を申し上げたい。

神奈川大学での研究、ささやかにスタート (2009年4月)
    特任教授は卒論指導教員の資格を与えられていない。亀山敦先生が研究室から2名の卒研生を私に付けて
    くださって、私のテーマの研究ができるようになった。学生とテーマ名は阿部直人『磁性体含有粒子の合成と
    その機能評価』大岩昌裕『銀ナノ粒子含有感温性ミクロゲルの合成と触媒機能評価』である。

大学教員第2ステージ、神奈川大学工学部  (2009年4月1日)
    4月1日午後1時神奈川大学1号館407室において辞令を受けた。神奈川大学工学部特任教授川口春馬の
    スタートである。ノルマは、講義「化学T」「基礎化学T」・化学実験(前期)、「化学U」
    「基礎化学U」・化学実験(後期)の担当である。西久保忠臣専攻長のご尽力と研究科の皆さまのご厚意で、
    大学院担当資格をいただいたので、大学院科目「界面化学」(前期)の講義ももつことになった。
    あてがわれた居室と実験室は、まだ段ボールの山で、いつになったら片付けが終わるのか目処が
    立っていない。




   ページの先頭に戻る

   ホームに戻る



新着 情報 研究室の紹介及び研究の概要図 論文・著作リスト 学会発表・講演 川口研の人々